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国語辞典は道しるべ

私も飯間さんと同じように、子どもの頃は、日本語のことはなんでも知ってるえらい先生が国語辞典を作っているとおもっていた(しかも私は口述筆記をイメージしていた)。でも「舟を編む」を観たら、ふつうの人々がふつうの生活のなかでコツコツと執筆を重ねていく姿が描かれていて、考えてみれば当たり前なんですけど。


この本は、その「舟を編む」(※アニメ版)の監修にも携わった飯間浩明さんが、辞書を作る仕事について、子どもたちに向けて書いた本。

飯間さんは、町を歩いているときも、テレビを見たり漫画を読んでいるときも、つねに変わった日本語がないかと探して、ことばを集めて書き留めていく。だから「ことばハンター」。

 

辞書作りが、ふつうの人のふつうの仕事であるとは言っても、やはり、言葉への興味・関心、そして繊細な感受性があってこその仕事なんだなということがわかります。いわれてみれば漠然とした「水の事故」とか、スパゲティの略語としての「スパ」とか、私なら当たり前すぎてスルーしてしまいそう。でも、この「当たり前」である言葉こそが生きた言葉であり、それこそが、国語辞典が収録しなければならない現代の日本語なのですね。

個性的な国語辞典といえば『新明解』が有名だけど、それぞれの辞書によって特色があるというのも面白かった。飯間さんの『三省堂国語辞典』は簡素な説明を心がけているそうです。それで、この、「簡素」でありながら、その言葉の意味を余すところなく表現できる説明を書かなければならない、その難しさも書かれていて、辞書作りの苦労がわかりやすく伝わってきます。

子どもたちにもぜひ読んでほしいけど、大人が読んでもとても興味深く、そして、おだやかな文章から伝わってくる、飯間さんの静かな情熱が感動的。派手さはないけど、とても尊いお仕事です。言葉に対するアンテナを敏感に張り巡らせて、正確な言葉をつかみ取っていけるようになりたいな、と思わせてくれる一冊でした。

 

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